学校紹介

浜松学芸中学校 校長挨拶

自分で意思決定して学べる環境を
生徒たちに提供していきます。

浜松学芸中学校 校長
森  真人

「自分で決めたことをやる」という癖をつける。

森校長は、浜松市立中学校の校長などを経て、2021年4月から浜松学芸中学校の校長に就任されました。その時の考えを教えてください。
私は自分のライフワークとして教師という仕事に就き、これまで浜松市立中学校の校長や浜松市教育委員会での仕事など、いろいろな経験をしてきました。その役割に区切りがついた時、公立で経験できなかったことにもいろいろ挑戦してみたいと思いました。
私立の学校には、生徒たちにとってプラスになることを迅速に実現しやすい環境があります。自分の思いを込めて何かを発案し、生徒たちと一緒に作り上げていくことを、浜松学芸中学校で実現したいと思いました。
中学生にとって必要な学びの環境とは、どのようなものですか?
生徒たちが自分で意思決定できる環境が必要だと思います。学校としてはたくさんの材料を用意しますが、手を伸ばしてそれを受け取るのは生徒たち自身です。もちろん基礎的な学びの場面では、昔ながらの集団指導を行いますが、そこから先は何事においても「自分で決めたことをやる」という癖をつけるべきだと思っています。
たとえば、総合的な学習の時間でも、教師が「これをやりましょう」とテーマを決めるのではなく、「この2時間を使って何かやってみたいことはある?」という形で、生徒たちが相談してテーマを決められるようにしたいと思います。正解が分からない仕掛けや、正解がいろいろある仕掛けを用意すれば、自分たちで主体的に取り組んでいくと思います。

「TKG~楽しく、かしこく、学芸ライフ~」
に込めた思い。

森校長が作成した浜松学芸中学校のグランドデザインでは、「自分らしさを見つける活動」と「充実した教科の授業」の2つの軸があります。このグランドデザインのポイントを教えてください。
まず、左側の矢印で書いた「自分らしさを見つける活動」の中で、「人間関係づくりトレーニング」を行うことが特徴の一つです。人間関係を作るためには自分を見つめ直す必要があるので、そのための心理トレーニングを中1で行う予定です。
「自分らしさを見つける活動」では、体験活動や学校行事、部活動、探究活動などに自分で選んで取り組み、自分の意志で何かをやる癖をつけていきます。それらの活動を通して勉強に対する意欲が湧くと、右側の矢印の「充実した教科の授業」につながります。また、授業(右の矢印)で成果が出たり、相対的な評価が得られたりすれば、それが自信になって左側の活動をもっとがんばろうと思えます。2つの矢印が、相互に行き来しながら進んでいくイメージです。

グランドデザイン

森校長は「TKG~楽しく、かしこく、学芸ライフ」というスローガンを打ち出しました。このスローガンが「楽しく」から始まる理由を教えてください。
何事も、最初に楽しさがあるべきだと思うからです。人が苦しいことを我慢できるのは、その先に楽しい気持ちになれることが分かっている時だと思います。分かりやすい例は、スポーツの練習です。野球選手が毎日何百回も素振りをするのは、その苦しさを乗り越えた先に優勝できるとか、自分が成長してチームに貢献できるとか、プラスの感情につながると信じられるからです。
ただ、せっかくやるならその過程自体も楽しい方がいいですよね。筋トレだって重苦しい雰囲気でやるよりも、軽快な音楽でもかけながらやった方がいい。単に「この苦労はあなたの将来に必要だよ」と言って耐えさせるのではなく、楽しみながら行った方がいいと思います。
スローガンの中の「かしこく」の大切さについても教えてください。
私が考える「かしこさ」とは、テストで良い点を取ることだけではありません。要領良く勉強して時間を有効に使うことも、自分の力を人のために役立てることも、「かしこさ」に含まれると考えています。今の苦労が将来の楽しさにつながるとポジティブにとらえることも、かしこくなければできないことです。いろんなことを頭の中で変換する力を磨いてほしいと考えています。

30人以下の少人数学級だからこそ経験できること。

中学校を卒業した後は、浜松学芸高校での3年間が始まります。高校生活を見据えて、中学時代に意識するべきことは何ですか?
本校を卒業して浜松学芸高校に進学すると、生徒たちは6コースに分かれて学ぶことになります。どのコースに行く上でも大事なことは「自分の気持ちを持つ」ということです。たとえば芸術科に入った生徒は、他の中学校から来た生徒たちを見て、「上には上がいる」という状況を経験するかもしれません。その時に、人と自分を比べるのではなく、「自分はこういう思いを持っているから大丈夫」「自分はこれが得意だからその力を伸ばそう」と思えることが大事だと思います。中学時代に本当に好きなことや熱中できるものを見つけ、志を持って進路選択をしてほしいと思います。
その他に、浜松学芸中学校の特長として伝えたいことはありますか?
本校が公立の中学校と圧倒的に違うのは、1クラスあたりの生徒数が少ないことです。公立中学校が1クラス約40人なのに対し、本校は30人以下なので、4分の3程度の少人数学級で学ぶことができます。生徒と教師の関わりの頻度が多いので、一人ひとりの生徒に対して丁寧に接することができます。そのことは本校の大きな魅力だと思います。
また、少人数学級なので授業で数学の問題を解く時でも、一度だけではなく何度も順番がまわってきます。英語のスピーチコンテストも、普通は代表者だけが発表すると思いますが、本校では全員がスピーチを行います。
食わず嫌いで避けていたことでも、実際に体験してみたら意外と楽しかったということが、人生の中にはたくさんありますよね。何事も自分で体験しなければ身につかないと思うので、チャンスが多いことは生徒にとって絶対にプラスだと思います。そういう機会がたくさん用意されている中で、「自分ごと」としていろんな活動に取り組んでほしいと思います。

※掲載情報は取材時(2022年3月)のものです。