高校教育

探究創造科 地域創造 コース

01.地域創造/衣・プロジェクト

浜松注染染めの技法を学び、
ポンチョなどを製作しています。

私たちが取り組んでいるのは、浜松注染染めの魅力発信活動です。1年生の時は注染の技法を学んで配色案を考え、反物を作りました。現在はこの反物の販売に向けて活動を行っています。また、コーデュロイの生地を使い、浴衣の上から羽織れるポンチョの製作にも取り組んでいます。
染色を行う企業や呉服屋さんなど、地元のたくさんの企業の方の力を借りて、学校の中ではできない学びができることがこの活動の魅力です。うまくいかなかないことがあってもそれを乗り越えるために、チームで何度でも試行錯誤してみる。その中で、何事も挑戦する力や次に向けて考える力が身につきました。

山本 彩花
(浜松市立南陽中出身)

02.地域創造/住・プロジェクト

地元の食材を使って、
新しいおにぎりを開発しました。

地元の食材を使って新しいおにぎりを開発する、「おにぎりプロジェクト」を行いました。2か月かけて考え、試作し、その成果を企業や飲食店の方や先生方にプレゼンするという取り組みです。成果報告では実際に試食していただき、地域のレストランですべてのおにぎりを販売していただきました。
試作がうまくいかない時、私たちのグループが意識したのは、勇気を持って一度構築した案を考え直すことです。その「スクラップ&ビルド」によって、開発を成功させることができました。困難があってもあきらめず、取り組みを続ける力が身についたと思います。仲間と協力してプロジェクトをやり遂げる喜びを味わうことができました。

松岡 優月
(浜松市立東部中出身)

03.地域創造/食・プロジェクト

摘果みかんでジャムを作り、
大量生産を実現しました。

「摘果みかん」を活用して、ジャムをつくるプロジェクトに取り組みました。長期保存を実現し、食べられる期間を延ばすことがこの取り組みのねらいです。先輩たちの活動を受け継いでジャムを効率良く生産する方法を考え、大量生産することに成功しました。地元の菓子メーカーとマドレーヌを作ったり、オリジナルレシピを考案したりして、ジャムの可能性を見つけられたことに手応えを感じています。
実際にみかん農家を訪ねて摘果作業を体験させていただく中で実感したのが、作業の大変さです。また、大量生産の難しさや衛生面のことなど、食品会社の大変さも知ることができました。農業や食品会社の仕事は外から見えにくいですが、その仕事が社会を支えているのだと気づくことができました。

内藤 ゆい
(浜松学芸中出身)

04.地域創造/住・プロジェクト

天竜材の知識を深め、
新サービスを考案しました。

1年次の林業プロジェクトで、地元の天竜材の知識を深めました。また、2年次は天竜材でつみきを作り、つみきのレンタルを行うサブスクリプションのサービスを考えました。永田木材さんから天竜材や林業のことを教えていただく中で私が実感したのは、新しい物事に触れて知識を深めることの喜びです。
私たちのグループには、建築など林業につながる仕事をしたいと考えている生徒が集まっています。このプロジェクトを通して、林業の知識やグループでの活動の進め方など、社会で必要な能力を身につけることができました。

木場 千尋
(浜松市立高台中出身)

05.地域創造/住・プロジェクト

浜名湖パルパルのポスターを制作し、
交通機関に掲出されました。

浜名湖北部の魅力を発信するポスターや観光プランの制作実績が認められ、浜名湖パルパルのPRポスターを制作しました。この取り組みを通して実感したのは、現地でヒアリングして課題を把握したり、自分たちのアイデアを伝えたりすることの大切さです。企業の方に満足していただけるよう、クオリティを高めるための努力を続けました。ポスターが完成した時に喜んでいただくことができ、やりがいを感じています。また、実際にバスの車内などにポスターが掲出された時は、自分たちの活動の成果が地域の人たちに届いたことに喜びを感じました。

生駒 彩華
(浜松市立入野中出身)

01.地域創造/科学情報・共同プロジェクト

池の生態調査と生物捕獲を行い、
動画で魅力を発信しました。

静岡県立森林公園にある「西ノ谷奥池」で、地域企業と協働して池の中の生態調査と生物捕獲を行いました。また、作業の様子を動画撮影し、外部への魅力発信を行いました。取り組みの中で意識したのは、まわりに気を配って自分から積極的に行動することです。また、動画のインタビューでは、伝わりやすい言葉選びや雰囲気づくりにこだわりました。
普段経験したことのない活動を通して感じたのは、「地域に貢献している」という手応えです。地域企業の仕事をサポートするためには、企業の方の話をよく聞いて課題に取り組むことが必要になります。たくさんの人との協働の中で、相手の意見をしっかりと聞く力や対話力が身につきました。

野口 壱琉
(浜松市立浜名中出身)

02.地域創造/科学情報・共同プロジェクト

科学情報コースの生徒と一緒に
外来種の生息状況を調査しました。

静岡県立森林公園内の「うぐいす谷」で、外来種であるナガバオモダカの生息状況を調査し、駆除を行いました。また、その様子を撮影し、森林公園内の生物の紹介とともに10分弱のドキュメンタリー動画にまとめました。
科学情報コースの生徒と一緒に駆除活動を行い、ドキュメンタリー動画について考える中で意識したのは、幅広い視点や意見を取り入れることです。異なる意見を持った人たちと関わることによって、自分の視野や考え方が広がったと思います。グループで活動する際に必要なことを学ぶことができました。

松村 海奈
(浜松市立蜆塚中出身)

これまでの実績紹介

【2022年度 活動内容】
  • ・浜松市危機管理課ポスター制作(浜松防災学習センター・高塚駅で展示)
  • ・第7回全国高校生SBP交流フェア 全国2位三重県知事賞
  • ・観光甲子園2022 SDGs修学旅行部門決勝進出 入賞
  • ・福山大学主催高校生CMコンテスト ポスター部門 第1位金賞
  • ・第1回海のポスター甲子園 決勝進出 上位6位特別賞
  • ・NHKロコだけが知っている!出演(天竜浜名湖鉄道)
  • ・浜松磐田信用金庫ビジネスマッチングフェア出展
  • ・静岡県繊維協会イベント実施(ソラモ)
  • ・浜名湖パルパル浴衣イベント実施
  • ・地域企業CM制作(2件)
第7回全国高校生SBP交流フェア
全国2位 三重県知事賞
観光甲子園2022 SDGs 修学旅行部門
決勝進出 入賞
「全国高校生SBP交流フェア」で
三重県知事賞を受賞しました。

これまで取り組んできたさまざまな地域の魅力発信プロジェクトを構造化し、「全国高校生SBP交流フェア」で発表しました。結果、全国2位となる三重県知事賞を受賞することができ、とてもうれしく思っています。
準備を進める中で感じたのは、個性あふれるメンバーを統括することの難しさです。時には自分の考えを捨てて、メンバーの考えを尊重しながらチームづくりを進めました。うまくいかない時や取り組みが停滞してしまう時もありますが、チームが一体になれば乗り越えられる瞬間があります。それを実感できた時、大きなやりがいを感じました。

甲賀 響
(掛川市立桜が丘中出身)
「観光甲子園2022」の
決勝大会に出場しました。

2023年2月に開催された「観光甲子園2022」の決勝大会に出場しました。準備を進める中で意識したのは、メンバー一人ひとりの個性を最大限に生かせる環境づくりです。その結果、さまざまな角度から物事を見ることができ、より深くアイデアを構想することができました。メンバーや先生、地域の方々と協働し、対話を重ねながらアイデアを形にできたと思います。
目標としていたグランプリを受賞することができず、結果については「悔しい」のひと言ですが、いろんな壁を乗り越えながら1年間通して取り組みを継続できたことに誇りを持っています。後輩たちの目標になれるよう、今後もさらに活動を深めていきたいと思います。

牧田 心路
(浜松市立北星中出身)
御前崎市とJTBと協働し、
ポスター制作に取り組みました。

御前崎市と旅行会社JTBと協働し、ワーケーションポスターの制作を行いました。ワーケーションとは、「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた言葉で、普段の職場とは離れた場所で働くことです。私たちは、ワーケーションを親子で過ごすというコンセプトで制作に取り組みました。
制作を進める中でやりがいを感じたのは、自分の中のイメージを形にしていく工程です。現地に何度も足を運び、最高の一瞬を切り取るために、1日2,000枚以上も写真を撮りました。その結果が実り、一般社団法人 海洋連盟が開催した2022年「うみぽす甲子園」で決勝まで進み、清野聡子賞を受賞することができました。

白井 琉莉
(湖西市立新居中出身)

■先輩の声 vol.1

渋谷 光太郎さん 浜松磐田信用金庫
  • ■2017年度卒業
  • 関西大学文学部卒業。
  • 浜松磐田信用金庫の窓口にてお客様のご相談に乗り、商品の提案・販売を担当しています。

地域のために行動した高校時代の経験が、
金融機関での仕事に活きています。

――学業面で、高校時代に特に力を入れたのはどのようなことですか?
学びにおいて苦手教科を克服するのは、もちろん大切なことですが、それだけでは気持ちがめげてしまいますし、モチベーションも上がりません。私は、得意教科や好きな教科を学ぶことも同様に大切だと思っていたので、それなりに時間をとって勉強していました。学びとは本来自らの興味、探究心が原動力となるべきです。高校卒業後は自分の選んだ大学、学部に行くわけですから、苦手教科の勉強を嫌々するよりも、好きなことを学ぶことの方が大切だと感じました。
――高校生活全体を振り返って、思い出に残っていることを教えてください。
探究活動で取り組んだ、「天浜線勝手に応援団」(社会科学部地域調査班)の活動が一番印象に残っています。ゼロから自分たちで天浜線沿線を盛り上げる方法について意見を出し合い、そのアイデアが形になっていった達成感は二度と味わえないと思います。今でも後輩たちによって活動が引き継がれていることもうれしく思います。
――卒業生の方の目から見た浜松学芸高校の魅力をご紹介ください。
自分自身が成長できる環境があることが、一番の魅力だと思っています。勉強に関しては教科ごとに専門の先生が分かりやすく丁寧に教えてくれますし、学びの楽しさ自体も教えてくれます。部活動や探究活動に関しては、種類が豊富で設備も充実しています。「得意なことなんてない」「興味あることなんてない」と思っている子にも必ず惹かれる活動があります。各活動で何を学ぶかは人それぞれですが、高校時代の体験が必ずや自分の将来を豊かにすると思います。
――現在のお仕事の内容を教えてください。
また、どのようなやりがい、手応えを感じていますか?
地域の金融機関で、本業である預金、融資はもちろんのこと、保険や投資信託にいたるまでさまざまな商品を提案する仕事をしています。お客様のお悩み、ご意向に対して適切な提案をし、お客様に喜んでいただくことが一番のやりがいです。
――高校時代に学んだことが、現在の仕事にどのような形で役立っていますか?
地域調査班の経験が一番役立っています。地域のために行動するという点で今の仕事とも共通するからです。高校時代に「地域に資する人間になりたい」という思いが醸成されたことにより、大学で一度浜松を出ても、また地元に戻ってきたいと思いましたし、地域のお客様を相手にした今の仕事に真摯に向き合えていると思います。

■先輩の声 vol.2

セライヤ 龍介さん 浜松学芸高校 教諭
  • ■2017年度卒業
  • 早稲田大学教育学部教育学科出身。現在は浜松学芸高校の教諭として、母校の生徒への指導にあたる。

「地域の魅力発信」に取り組んだ経験が、
現在の自分につながっています。

――現在の仕事内容を教えてください。
母校である浜松学芸高校で教員をしています。主に地域創造コースに関わっており、高校時代に培った実践力と大学で得た専門性を生かして、日々生徒と関わっています。
――浜松学芸高校ではどんな3年間を過ごしましたか?
さまざまなことに挑戦した高校生活でした。勉学に励みながら、部活動や探究活動、生徒会活動など、バランスを考えて行動していました。その中で知ったのが、「学び」とは単に授業を受けて知識を得ることだけでないということです。幅広い経験や体験こそが自分を成長させるのだと、気づくことができました。
――高校時代で特に思い出に残っていることを教えてください。
高2の夏から始めた「地域の魅力発信」の活動です。現在の地域創造コースに受け継がれている活動ですが、当時はたった5人の取り組みでした。「浜松の魅力って何だろう?」と考えながら活動し、その答えを探すためにフィールドワークや話し合いを繰り返したことが思い出に残っています。今思えば、その過程こそ「探究」の姿勢だったと思います。
そして、それをきっかけに私は、自分が取り組んできたことを教える立場になりたいと考え、大学選びや仕事選びにつなげていきました。あの時関わってくれた友人や先生、地域の方がいなければ、今の私はいないかもしれません。
――浜松学芸高校の魅力はどんなところだと思いますか?
まさに、T(楽しく)K(賢く)G(学芸ライフ)を体現していることだと思います。生徒は普段の学業や行事への参加だけでなく、日常全体を楽しく過ごそうとしており、学校全体としてそのような良い雰囲気を作り出すことができていると思います。また、学芸は生徒だけでなく教員も「学び」に前向きです。生徒と教員の間で良い関係性が築かれている印象があります。
――高校時代の経験が、卒業後にどう役立っていますか?
高校時代に外部の方と関わる機会が多かったので、コミュニケーション能力や話の「伝え方」を学ぶことができました。そしてそのような力は、進学先の大学でも役立ったと思います。大学でもコミュニケーション能力の向上を意識し、さらに磨くことができました。

■先輩の声 vol.3

セライヤ 桜さん 玉川大学 観光学部 観光学科
  • ■2022年度卒業
  • 全国の地域課題を解決できる人材をめざし、2023年4月から玉川大学観光学部観光学科で学んでいる。

普通の学生生活では経験できないことを、
たくさん経験することができました。

――高校3年間を振り返って教えてください。地域創造コースの学びはどんな魅力があると思いますか?
座学だけでなく、実践を前提とした学びがあることが魅力だと思います。与えられた課題に自力で取り組んだり、仲間と一緒に課題を見つけて解決に導いたりと、普通の学生生活では経験できないようなことが多く、本当に楽しい3年間でした。
――3年間で特に力を入れたことを教えてください。また、どんな力が身についたと思いますか?
1年次の「プロジェクト型学習」や2年次のフィールドワークなどを通して、仲間たちと何度も話し合いを重ね、地域の課題解決に取り組みました。その経験を通して、地域の課題を自力で見つけ解決する力が身につきました。
――高校生活全体を振り返って、特に思い出に残っていることを教えてください。
2年次に取り組んだ「観光甲子園2021」は、忘れられない思い出です。夏休みにみんなで一日中学校にこもって観光プランを練り、何度も地域の方とのフィールドワークを行いました。準グランプリという成果を挙げることができ、とてもうれしく思いました。
――改めて、浜松学芸高校はどのような魅力のある学校だと思いますか?
学芸の先生方は、生徒一人ひとりの進路実現のために全力で取り組んでくれます。放課後に面接の練習に付き合ってくれたり、志願書を何度も添削してくれたりして、とても心強く感じました。また、生徒同士で面接対策をする場面もあり、みんなで支え合って受験に臨みました。
――今後の目標を教えてください。高校時代に身につけた力を将来どのように発揮していきたいですか?
浜松だけでなく、日本中の地域課題を見つけ、解決に導く力を伸ばしていきたいと思います。高校生活で得た「表現力」や「課題に取り組む力」を応用し、将来は日本や世界に住む人々に日本のさまざまな地域の魅力を伝えらえる旅行コーディネーターになりたいと思います。

■先輩の声 vol.4

松本 麗加さん 北九州市立大学 地域創生学群 地域創生学類
  • ■2022年度卒業
  • 2023年4月より、北九州市立大学地域創生学群地域創生学類で学ぶ。

座学だけでは得られない、
実践的な力が身につきました。

――高校3年間を振り返って教えてください。地域創造コースの学びはどんな魅力があると思いますか?
基礎的な学びに加え、普通の高校生が体験できないようなプロジェクトを体験できます。その中で、仲間や企業の方との対話の仕方や、物事の多面的な見方を学ぶことができました。仲間と協力して一つのことを達成する楽しさを知った3年間です。座学だけでは得られない実践的な力が身につきました。
――3年間で特に力を入れたことを教えてください。また、どんな力が身についたと思いますか?
私は元々、人と協力して何かを行うことが苦手で、「自分でやった方が早いし上手くいく」という考えでした。しかし、数多くのプロジェクトを実行していくうちに、「仲間意識が芽生える喜び」や、「自分だけでは思い浮かばないようなアイデアが生まれる手応え」を知りました。プロジェクトを行う中で意識したのは、できるだけメンバー全員が活躍できるような取り組み方です。仲間と協力し、分担し合うことの良さを知ることができました。
――高校生活全体を振り返って、特に思い出に残っていることを教えてください。
一番思い出に残っているのは、探究活動ミュージカル(演劇)での最終公演です。クラス展や人間関係改善委員会での活動が忙しい中、準備は大変でしたが、今までで一番のものになったと思います。メンバーに恵まれ、仲間と分担・協力するスキルを身につけたことが成功につながったと思います。同級生や後輩たちが進んで協力を申し出てくれたことが何よりうれしく、全員で舞台を作り上げる喜びを感じました。
――改めて、浜松学芸高校はどのような魅力のある学校だと思いますか?
学芸の一番の魅力は、人と人との距離が近く、先生とも気軽に話せることだと思います。つらいことがある時や困ったときはもちろん、ちょっとした相談も聞いてくれるやさしくて人当たりのいい先生が多く、毎日学校に来るのを楽しく感じていました。生徒も「楽しいことが大好き!」という気持ちを前面に出す人が多く、行事はとにかく盛り上がりました。
――今後の目標を教えてください。また、高校時代に得た力を将来どのように発揮していきたいですか?
中高6年間を学芸で過ごす中で、自分の得意なことや苦手なことを知ることができました。この先も、この学校で出会えたような良い仲間と出会い、お互いに支え合いながらさまざまなことに挑戦し、成長していきたいと思います。将来は、人を楽しませることができる職業に就きたいと思います。